マタイによる福音書 4:23~5:12

「イエスはこの群衆を見て、山に登られた。」(5:1)

 主イエスは「山」に登り、そこから福音を語られました。山の上で神の啓示を受け、それを伝えたモーセの姿と、ここでのキリストのお姿が重なります。
 しかし、モーセと主イエスの違いは、モーセが「神がこうおっしゃっている」と伝えたのに対して、主は「私はあなたがたに言う」と、ご自分の権威で神の福音を伝えていらっしゃることです。キリストは神としてここで語っていらっしゃるのです。
 山上の説教は有名な言葉なので、多くの人は自分の好きな言葉だけを抜き取って大事にしたりします。しかし主は「こうすれば心の貧しさや悲しみから離れられる」という処世術をお話なさっているのではありません。これは、心の貧しさや悲しみをもって神の元に立ち返った人々がメシアから聞かされた、「よく戻って来た」という赦しの宣言・福音なのです。
 山上の説教は、祝福の宣言から始まりますが、最後には終末の裁きの言葉へと展開していきます。この世の終わりを生きる私達に、「誰の言葉を聞き、誰により頼んで生きるのか」を、主イエスは我々に問うていらっしゃいます。

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